【演劇】演劇を仕事にできるのかを考えてみた【ミュージカル】
結論から言うとできると思う。
しかし、今までとは流れが変わると思っている。
いくつかのポイントに分けて説明していきたい。
【金銭面】
年々税金の額は上がっているし、よく目にする「借金して、これを返すために頑張ろう」とモチベーションを上げることも昔はできたが、今は収入に対して借りられる限度額が決まっているため、ある程度稼がなくてはいけない。
これがどういう意味かというと、駆け出し役者にとって、正社員になってしまうとオーディオションや急遽入った仕事に対応できないため、比較的時間の都合のつくアルバイトを選択する必要がある。
しかし、フリーターというわけではなく、演劇を志している人にとって、働いている時間が長くなればなるほど、演劇のことを考える時間がなくなる。
気がつくと、演劇好きのフリーターができあがってしまうという問題がある。
それはボク自身もそうだ。
今だと劇団創設に向けていろいろやらなくてはならないが、バイトが終わってからいろいろ時間を作っているが、正社員時代よりもハードな状況である。
ここまで話すと悲観的かと思われるだろうが、そういうことでもない。
希望はある。
ボクのツイッターを見ると、演劇以上にビジネス的なことをリツイートしているが、あれはなんとか演劇を志す人間がアルバイト、つまり、時間を切り売りして賃金を貰うことから抜け出す方法を模索していると思って欲しい。
いやいや、オレはビジネスとか関係ないしと思っている人がいたら、それは大きな勘違いである。
これからの役者に求められるのは、演劇的な部分だけでなく、マーケティングの能力とブランディングの能力が必要になってくるだろう。
なぜそんな能力が必要なのかを下記の記事を読んでもらいたい。
これはグラビアアイドルの倉持由香さんのインタビューだが、彼女は非常にマーケティング的な視点とブランディングの能力に長けている。
以前の形態だと事務所に入って、マネージャーなどが自分を商品として売り込んでくれただろうが、ぶっちゃけた話、事務所とか劇団に依存している人はかなり危ない。
自分を演劇市場、役者市場でも良いが、その市場では商品として、売り出す必要があり、修正をするのも自分だということはおわかりだろう。
そうなると、自分を商品として、市場でどこの位置づけなのかを把握する必要がある。
そこを把握して、限られた経営資源(時間・金)を自分の長所に費やすことが大事になってくる。
これは他人に分析してもらうことも大事だが、あくまでそれは参考意見に過ぎない。
誰も言わないけど、演劇業界ってとても時代遅れな部分があるので、従来通りの発想でやっていても、レッドオーシャンですから、世の中でどんどん先に行っている分野を見ておくと、演劇業界はゆっくりそこに動いていくので、先読みはしやすいとも思える。
だって、アイドルとかでも自分たちをどうやって売るかを考えているし、マネタイズする能力が高い人が多い。
元HKT48のゆうこすさんの場合、アイドルは最初のステップでそこからやりたいことをやっていますが、演劇人も多種多様なことをやる人が増えていくと思います。
演出家の福田雄一さんも銀魂の監督をやったり、放送作家をやったりしているが、専業ではなく、一つ軸があって、そこの延長線上で様々なことをやっていく人が成功するんだと考えています。
それはリスクヘッジの部分もありますし、それだけでなく、ちょっと視点を変えた仕事をしていくことで演劇×○○という発想を生み出す効用もあるんだと思います。
ちょっと話が逸れましたが、マーケティングの能力とブランディングの能力を高めることをするためにも演劇以外の収入源を持つことを考えたほうが良いです。
じゃあ、どうすれば良いの?となるでしょう。
時間を切り売りしないで稼ぐことを考えたら良いと思います。
たとえば、Youtuberでもブロガーでも良いですし、役者さんならインスタグラムでマネタイズとかでも良いんじゃないでしょうか。
ボク自身も模索中ですが、うまくできたらノウハウをここのブログにどんどん発信してきます。
農業みたいなもので、最初の仕込みの段階ではまったく金にならないのですが、しっかりと育てていけば、しっかりと実を結びます。
だって、このブログも一時期、更新をまったくしていなかったんですけど、勝手にPVが伸びてましたからね。
【職業】
演劇に携わる人間はたくさんいます。
演者、演出家、脚本家、裏方、営業、プロデューサーなど。
近年、AIが人間の仕事を奪うなんて言われてますけど、演劇界で言ったら、裏方が真っ先に機械化によってなくなるでしょうね。
だって、誰でもできますもん。
やっていた人間が言うんですから。
これって機械化できるよなぁ…って思いますもん。
完全になくなることはないですけど、人数はかなり少なくなると思います。
大道具なんて一番人数多いですけど、下手したら二人くらいいれば大丈夫なんて未来になってくると思いますよ。
あとは道具の仕込みくらいしか大人数の仕事がなくなるでしょうし、公演のセット転換なんてほとんどやることなくなるんじゃないですかね。
もし大道具になりたいと思っているなら、公演のセット転換をやるのではなく、製作のほうがまだ重宝されます。
たまに外の舞台とか観に行くと、ヘタクソな転換しているところありますけど、あんなの淘汰されますよ。
舞台監督は必要だと思いますけど、他は厳しいですかね。
もし、どうしても裏方をやりたいと思うなら装置家とかのほうがまだ食い扶持があるんじゃないですかね。
演者さんはさっき言った通り、戦略をだいぶ練らないと厳しいですね。
だって、舞台以外から流れてくる人がいますし、ルックスだけで売れようとしたって、城田優さんとか古川雄大、小池徹平さんみたいに知名度もあって、ルックスも良い人がよそから来たら、勝ち目ないですよ。
彼らは技術的に未熟だったとして、他の分野でもポートフォリオがありますし、集客力があるので、興行主からしても安心できますし、舞台にシフトしてくれたら、あとは育てれば良いやって発想ですからね。
だからこそ、演劇が好きならば、レッドオーシャンでも勝ち抜くか、その中にあるブルーオーシャンな部分を見つけていくしかないんですよ。
かなり頭を使う職業だと思いますよ。
この現状が良いのかって言われたら、決して良くないと思うのですが、それを変える力がない人間はそこのルールで勝ちあがってからルールを変えていくことをするしかないですから、もし、この状況に不満がある人は頑張りましょう。
ボクも不満があるからこそ頑張ろうって思ってます。
大変だと思いますよ。
でも、好きで演劇の世界を選んだのでしょう?
頑張りましょうよ。
ボクも心が折れかけたことが何回もありますけど、そのたびに自分に「本当に演劇を愛しているのかを試されているんだ」って思って歯を食いしばってきましたから。
そういう仲間がたくさん増えたら、日本の演劇界はもっと面白くなるような気がします。
ここまで読んでくれてありがとうございます。